ジグナル・イドゥナ・パルク。
サッカーが好きな人なら一度は聞いたことがあると思います。
そう!日本の10番、香川真司選手の所属するドイツブンデスリーガのチーム。ドルトムントのホームスタジアムです。
毎週のように、約15000キロ離れた日本から現地のドルトムントの試合を動画でライブ観戦します。スタジアムのスケールと熱気に引き込まれるんです。
ジグナル・イドゥナ・パルクの収容人数は約8万人。これは世界最大で、試合はほぼ毎回満席。ジグナル・イドゥナ・パルクがある都市ドルトムントの人口が約58万人なので、都市の人口の1割以上が観戦に訪れる計算。これは脅威的なことだと思います。
ちなみに最近大阪でも吹田スタジアムができましたが、収容人数は4万人。大阪市の人口は270万人ですが、毎回満席というわけではありません。
この点をとってもドルトムントの人にとってサッカーがどれだけ特別なものかが感じられます。
現地に住む日本人が、ドルトムントファンにとってサッカーは文化だといいます。
サッカーが終わった次の日は、町の至るところでみんながビールを飲みながら、昨日のサッカーの話をします。
「前半途中までは良かったけど、選手交代から流れが 変わった、相手がフォーメーションを変えたことを考慮して、もう少しディフェンシブな選手を入れるべきだった。」
サッカー解説者のコメントではないです。一般の市民がそういった戦術的なレベルで語り合うんです。
その話は週の半ばまで続き、週の後半は週末の試合のスタメンや結果予想に話が移る。そして週末は現地で観戦し、勝てばみんながチャント(応援歌)を歌いながら、帰路につき、また1週間が始まる。
日本では、踊って歌って、全身でサッカーを楽しんでいるのは、バックネット裏のサポーターだけではないでしょうか。ドルトムントでは、サポーター全員がチャントを歌い身体を揺らすんです。
この映像を見ると
「ドルトムントファンにとってサッカーは文化だ」
この言葉の意味を実感せずにはいられません。
日本では最近地域のつながりが薄くなっていて、それが社会的なコストを増大させている、という指摘があります。
スタジアムでたまたまな隣で一緒になった人と肩を組み歌うドルトムントのサポーターがこの指摘についてなんてコメントをするだろう、文化の違いに思いをはせながら、そういったことを想像するのも海外サッカーの楽しみ方かもしれません。
もう1つ。
やっぱり同じ日本人としてそういった環境の中、日本の10番が躍動する姿はワクワクします。
ドイツのサッカーはフィジカルが強く、球際のプレッシャーも激しいもの。香川選手の良さは、日本人のストロングポイントである俊敏性と高い技術。鋭いターンで体の軸を回しながら、大柄の選手の合間を縫ってゴールに迫るところに特徴があります。
小柄な日本人が何人もの大柄な選手の体当たりを交わしながら、突進し、ゴールを決める。直後に8万人が叫ぶ「シンジ・カガワ!」の絶叫。日本人でなくても心躍るものがあるのではないでしょうか。
残念なことに2017年シーズンは最終節を終えました。
今から2018年シーズンが楽しみです。日本にもみんなをつなぐ文化としてのスポーツが生まれることを願ってやみません。”