古代中国を舞台にした漫画を4つ紹介

漫画

歴史をテーマにした漫画は非常に多い。日本、中国、ヨーロッパなど様々な国や地域が舞台となっている。今回はその中でも古代中国を舞台にした漫画を4つほど紹介する。

世界でも特に歴史が深く魅力的な逸話の多い中国である。しかも古代中国は特に内容が深く、日本でも漢文の授業などで教わることも多い。

これら4つの漫画を読めばその大きく深い歴史の面白みを存分に堪能できることだろう。

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三国志(横山光輝著)


古代中国で最もポピュラーな時代といえば何といっても三国時代である。中国史上唯一3人の皇帝が同時に存在した時代であり、漢民族にとって最もなじみ深い漢王朝の末期から始まる特別な時代である。

日本国内でもゲームにアニメと様々なジャンルの作品の題材となり、三国志の名前を知らない日本人などほとんどいないことだろう。

そしてその三国志ブームの火付け役となったのがこの横山光輝著の三国志である。黄巾の乱に始まり漢王朝の衰退と滅亡、三国時代の成立と蜀漢滅亡によるその終焉までを前60巻にまとめ上げた傑作である。

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キングダム(原泰久著)


今最も熱い漫画の一つと言われているのがこのキングダム。秦の始皇帝に仕えた名もなき少年が天下の大将軍を目指して奮闘し活躍する大河サクセスロマンである。

この作品の特徴はそのすさまじいまでの熱である。王道を地で行くパワーと熱気に読者たちは魅了されている。

一方歴史ものとしてこの作品を見てみるとその大きな特徴は大胆なまでの脚色にあるといえるだろう。実在する将軍を女性キャラクターに変えてしまったのがその一例である。

そもそもこの時代については残っている記述が非常に少ない。秦の始皇帝が行った焚書という生活に不要な書物を焼いてしまう政策と、始皇帝の死後に一時覇権を握った項羽とその兵士たちによって多くの書物が焼かれてしまったことが原因である。

故に史実に忠実に描こうにもわからないことが多いという欠点があった。それを逆に脚色をする必然性があるという利点に変えて描いていることこそ著者原泰久の優れた点といえるだろう。

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蒼天航路(原作・李 學仁 漫画・王 欣太)


衝撃のネオ三国志と題された異色の作品。三国志といえば劉備玄徳を中心に蜀漢の将たちを主人公とするのが一般的だが、この作品はあえて彼らの最大のライバルである曹操孟徳を主人公に据えている。

そのためこれを読めば三国志という大河ドラマを今までと違った視点で楽しむことができる。ただし、蜀漢に思い入れが強い人間には不満が残るかもしれない。

自分は少しばかり不満を感じた。また、この漫画は青年誌であるため残虐な描写や性的なシーンもいくらか登場する。

この点も自分にはあまり合わなかったが、それでもこの作品に強い魅力があることは確かである。

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史記(横山光輝著)

個人的に最も進めたいのがこの史記である。高名な歴史家司馬遷の著した歴史書の最高峰の一角、史記。

春秋時代から漢王朝最盛期の皇帝である武帝の時代までを網羅した歴史スペクタクルである。主人公は存在せず、この時代にあった出来事を一つ一つ挙げては丁寧に描写してその意義や教訓、人間ドラマの深さや面白さを伝えている。

約700年にもわたる中国の膨大な歴史の数々がわずか16巻に凝縮されている。そのストーリーの色濃さは同著者の三国志を超えているといっても過言ではないだろう。

史記 全11巻セット (小学館文庫)
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