古代中国を舞台にした漫画7選!三国志・春秋戦国・楚漢戦争の名作を紹介
歴史をテーマにした漫画はたくさんあります。
日本史、ヨーロッパ史、戦国時代、幕末、古代ローマなど、いろいろな時代が漫画の舞台になっていますが、その中でもスケールの大きさでいえば、古代中国を舞台にした漫画はかなり魅力的です。
春秋戦国時代、秦の始皇帝、楚漢戦争、三国志など、中国史には漫画向きの題材が山ほどあります。国が滅び、英雄が現れ、裏切りがあり、戦があり、知略があり、名言が飛び交う。もう歴史の時点でエンタメ性が高すぎます。
登場人物の名前が難しいのが少し大変ですが、慣れてくるとそこも含めて楽しくなってきます。最初は「誰が誰?」となりますが、そのうち「この武将、名前だけで強そう」と思えるようになります。
今回は、古代中国を舞台にしたおすすめ漫画を7作品紹介します。
三国志の定番作品から、春秋戦国時代、楚漢戦争を描いた作品まで、古代中国のロマンを楽しめる漫画を選びました。
三国志 / 横山光輝
古代中国を舞台にした漫画を語るうえで、外せないのが横山光輝の『三国志』です。
三国志といえば、劉備、関羽、張飛、曹操、孫権、諸葛亮など、歴史に詳しくない人でも一度は名前を聞いたことがあるような英雄たちが登場する中国史の大定番です。
横山光輝の『三国志』は、黄巾の乱から始まり、群雄割拠、赤壁の戦い、三国の成立、その後の展開までを描いた大河漫画です。潮出版社の新書版は全60巻として刊行されています。
全60巻と聞くと、ちょっと身構えるかもしれません。もはや漫画というより歴史の山です。登る前に覚悟がいります。
ただ、読み始めると意外と止まりません。
劉備たちの義兄弟の絆、曹操の圧倒的な存在感、諸葛亮の知略、関羽や張飛の豪傑ぶりなど、三国志の面白さをかなり王道に味わえます。
絵柄は今の漫画と比べるとクラシックですが、その分、重厚感があります。歴史漫画としての読みやすさもあり、三国志を初めて漫画で読む人にもおすすめしやすい作品です。
古代中国漫画の入口として、まず読んでおきたい名作です。
キングダム / 原泰久
今の時代に古代中国漫画といえば、やはり『キングダム』は外せません。
舞台は紀元前の中国大陸。まだ中国が統一されていなかった戦国時代を描いた作品で、集英社の公式紹介でも「いまだ一度も統一されたことのない中国大陸は、500年の大戦争時代」とされています。
主人公は、天下の大将軍を目指す少年・信。のちの秦の始皇帝となる政と出会い、激しい戦乱の中で成り上がっていく物語です。
『キングダム』の魅力は、とにかく熱量です。
戦場の迫力、仲間との絆、将軍たちの存在感、国を背負う王たちの覚悟。ページをめくるたびに熱いです。読んでいるこっちまで、なぜか軍議に参加している気分になります。実際はソファで寝転がって読んでいるだけなのに。
歴史漫画ではありますが、かなりエンタメ性が高く、難しい歴史知識がなくても楽しみやすい作品です。
戦のシーンが多く、少年漫画らしい成長物語としても読めるので、「歴史漫画は少し堅そう」と思っている人にもおすすめです。
古代中国に興味を持つきっかけとして、かなり入りやすい漫画だと思います。
蒼天航路 / 原案:李學仁・漫画:王欣太
『蒼天航路』は、三国志を曹操の視点から描いた異色の作品です。
講談社の作品情報でも、著者は王欣太、原案は李學仁とされています。
三国志作品では、劉備や蜀の陣営を中心に描かれることが多いですが、『蒼天航路』は曹操を主人公として描いています。
この時点で、かなり攻めています。
一般的な三国志では、曹操は冷酷な悪役のように描かれることもあります。しかし『蒼天航路』の曹操は、圧倒的な才能とカリスマを持つ人物として描かれます。
乱世をどう生きるのか。国をどう作るのか。人をどう動かすのか。そういった視点で三国志を楽しめる作品です。
『三国志』を読んだあとに『蒼天航路』を読むと、同じ時代なのにかなり印象が変わります。同じ料理でも、味付けが全然違う感じです。横山三国志が定食なら、蒼天航路はクセ強めの豪快フルコースです。
ただし、青年漫画らしく、戦場の残酷な描写や大人向けの表現もあります。万人向けというより、ある程度三国志に慣れてから読むとより楽しめる作品です。
劉備側だけではない三国志を見たい人には、ぜひ読んでほしい漫画です。
史記 / 横山光輝
横山光輝の『史記』も、古代中国漫画としておすすめしたい作品です。
『史記』は、司馬遷がまとめた中国の歴史書として有名ですが、漫画版ではその中のさまざまな人物や出来事が描かれています。
三国志のようにひとつの時代や主人公を追うというより、いろいろな人物の人生や事件を通して、古代中国の歴史の奥深さを味わえる作品です。
春秋戦国時代、秦、楚漢戦争、漢の時代など、古代中国のさまざまなエピソードに触れられるのが魅力です。
『史記』の面白さは、人間ドラマの濃さにあります。
権力をめぐる争い、忠義、裏切り、復讐、知略、失敗、栄光と没落。古代中国、人間関係が濃すぎます。現代の職場の人間関係で疲れている場合でも、「昔の人も大変だったんだな」と少し別方向にしんどくなれます。
歴史の流れを知りたい人だけでなく、人物伝が好きな人にも向いています。
三国志やキングダムのような派手な戦争漫画とはまた違い、古代中国の名場面や教訓を味わえる作品です。
達人伝〜9万里を風に乗り〜 / 王欣太
新しく追加するなら、『達人伝〜9万里を風に乗り〜』はかなりおすすめです。
『蒼天航路』の王欣太が、中国の春秋戦国時代を描いた作品です。双葉社のリリースでも、中国・春秋戦国時代を描いた大巨編として紹介され、連載10年で完結した作品とされています。
舞台は『キングダム』と近い時代ですが、描き方や雰囲気はかなり違います。
『キングダム』が秦の統一へ向かう熱い成長物語だとすれば、『達人伝』はより大人向けで、人物や時代のうねりを濃く描く作品という印象です。
王欣太作品らしく、絵の迫力や人物のクセが強く、ただの歴史解説漫画ではありません。登場人物たちの考え方や行動に勢いがあり、読んでいると古代中国の空気がかなり濃く感じられます。
春秋戦国時代が好きな人、キングダムとは違う角度で同じ時代を楽しみたい人にはぴったりです。
ただし、こちらも少し濃い作品です。軽く読むというより、腰を据えて読むタイプです。古代中国の濃厚スープみたいな漫画です。あっさり味ではありません。
龍帥の翼 史記・留侯世家異伝 / 川原正敏
『龍帥の翼 史記・留侯世家異伝』は、楚漢戦争の時代を描いた作品です。
講談社の公式情報では、紀元前中国を舞台に、天才軍師・張良を主役として英傑たちの興亡を描く作品と紹介されています。
張良といえば、劉邦を支えた名軍師として知られる人物です。
楚漢戦争は、秦が滅んだ後、項羽と劉邦が天下を争った時代です。三国志やキングダムに比べると、漫画として触れる機会は少ないかもしれませんが、こちらもかなり面白い時代です。
項羽はとにかく強い。劉邦は人を使うのがうまい。張良、韓信、蕭何など、歴史に残る名臣たちも登場します。
『龍帥の翼』は、戦そのものだけでなく、知略や人間関係の面白さも楽しめる作品です。作者は『修羅の門』などで知られる川原正敏なので、物語を読ませる力もあります。
派手な戦場だけでなく、軍師や策略が好きな人にはかなり向いています。
古代中国漫画を三国志とキングダムだけで終わらせるのはもったいないです。楚漢戦争も十分に濃いです。英雄の密度が高すぎます。
ビン〜孫子異伝〜 / 星野浩字
『ビン〜孫子異伝〜』も、古代中国を舞台にした漫画として紹介したい作品です。
集英社の公式情報では、戦乱の世が続く中国戦国時代を舞台に、斉に現れた異形の英傑・孫ビンを描く作品とされています。
孫ビンは、兵法家として知られる人物です。『孫子』で有名な孫武とは別の人物ですが、同じく兵法に関わる重要人物として扱われます。
この作品は、戦国時代の中でも「兵法」や「戦術」の面白さを感じやすい漫画です。
ただ大軍がぶつかるだけでなく、どう戦うのか、どう相手を崩すのか、どう不利な状況をひっくり返すのか。そういった部分に興味がある人には楽しみやすいと思います。
また、主人公の孫ビンは単なる強い武将ではなく、知略で戦うタイプの人物です。力で殴るだけではない戦いが好きな人に向いています。
古代中国漫画というと、どうしても三国志や秦の始皇帝の時代に目が行きがちですが、戦国時代にはまだまだ面白い人物がいます。
『ビン〜孫子異伝〜』は、少し違った切り口で中国戦国時代を楽しめる作品です。
まとめ
古代中国を舞台にした漫画は、歴史のスケールが大きく、登場人物も非常に魅力的です。
三国志を王道で楽しみたいなら、横山光輝の『三国志』。曹操視点で三国志を読みたいなら『蒼天航路』。中国戦国時代の熱い戦いを楽しみたいなら『キングダム』。人物伝や歴史の奥深さを味わいたいなら『史記』がおすすめです。
さらに、新しく追加するなら、春秋戦国時代を濃厚に描いた『達人伝』、楚漢戦争と張良を描いた『龍帥の翼』、兵法家・孫ビンを主人公にした『ビン〜孫子異伝〜』も読み応えがあります。
古代中国は、英雄、軍師、王、裏切り、戦争、知略が詰まった歴史の宝庫です。漫画で読むと、教科書ではなかなか伝わりにくい人間ドラマや時代の迫力がぐっと身近に感じられます。
最初は登場人物の名前や国名が難しく感じるかもしれません。でも、読み進めていくうちに少しずつ関係がわかってきます。
気づけば、秦、楚、漢、魏、蜀、呉などの名前にちょっと反応する体になっているかもしれません。古代中国漫画、ハマると地味に戻れません。
まずは気になった作品から読んで、古代中国の壮大な世界を楽しんでみてください。
