漫画は子供の頃から大好きなので、それこそファン歴は20年以上です。ジャンルを問わず、人気作品から少しマニアックな作品まで読んできたと自負していますが、その中でも個人的に万人におススメできる「感動したい人向けの漫画5選」を紹介させていただきます。
コアな漫画ファンなら、王道の作品ばかりと反論がありそうですが、私としては普段漫画を読まない人や小説ばかりを読み、漫画は子供向けだと決めつけている大人の方々に読んでほしいものを選びました。
最初は読むことに抵抗が感じられても、どの漫画も一巻を読み終わる頃には、作品の中身に夢中となり、続きが気になって仕方がないと思います。
基本として、現在も掲載されている人気作を中心に選んだので、きっと近所の本屋やネットなどから簡単に購入する事ができるので、その面でも良いチョイスだと自画自賛しています。
では、前置きが長くなりましたが、早速紹介していきます。
感動したい人にお勧めの感動漫画5選
お勧め漫画1 「GIANT KILLING」(ジャイアントキリング)
サッカーは世界中で一番人気があるスポーツですよね。それだけの感動や興奮が多くの人を熱狂させているのですが、どうも漫画に関しては「キャプテン翼」で終わっている人が多いように感じます。
確かに名作ですし、世界中でも大人気となりましたが、如何せん大人になって読むと、子供向けでありプレイなども漫画ならではの現実では不可能なものばかりの連続ですよね。
それが子供向けですし、漫画だから良いという意見もあるでしょうが、興醒めするのも一方であります。
そんな人には、ジャイアントキリングを紹介します。これは、サッカー漫画でも監督がメインであり、派手なプレイよりも戦術ありきのフットボール漫画です。
すると、「面白くないのでは」、「どこで感動するの」と思ってしまうでしょう。それが違うのです。この監督は、元日本代表のエースでありながら、怪我をして若くして現役引退をした、という背景があります。そんな、現役時代には果たせなかった夢を今度は監督なって、弱小チームを立て直しながら、自信の夢も掴んでいく物語です。
そのチームには、まるで若き日の監督の再来のような、素晴らしい若手選手が日に日に成長していく姿もあります。ぜひ、スポーツ漫画を普段読まない人にも、熟読してもらいたい名作です。
お勧め漫画2 「BLUE GIANT」(ブルージャイアント)
漫画は日本が世界に誇れる文化ですよね。もちろん、アメリカなど他の国でも漫画はありますが、日本ほど漫画雑誌が定着していないので、どうしても作品も限られます。
私が知る限りでは、音楽漫画は海外では特に少ないと思います。これは海外小説などでも、音楽を題材にしたものは極端に少ないはずです。
それだけ、どのような作品展開にするか難しいのでしょう。後はクライマックスとなる音楽を奏でる感動や興奮のシーンを、音が聴こえない漫画或いは小説で作り、想像させるのは本当に困難だからです。
日本の漫画で音楽漫画というと「ベック」などのロックバンド、他には「のだめカンタービレ」などのクラシックや恋愛要素を入れた漫画が代表ですよね。
これらを否定するつもりはないですし好きな作品の一つですが、「ブルージャイアント」と比較すると何段階も見劣りします。それは、ロックバンドはある意味で共感しやすいですし、同年代のバンド仲間が少し悪ぶったり、そこにギャグ要素をちりばめ、クールダウンができます。
女性向けのクラシック漫画も、恋愛要素を入れる事で同じくクールダウンができ、それがクラシックを引き立てる要因にもなりますが、どうも肝心の音楽がブレている気がするのです。
このブルージャイアントは新連載前の情報で、ジャズ漫画と聞き、私は正直売れないだろうと思いました。否、私はジャズファンですし、コルトレーンやマイルスだけでなく、オースティンペラルタやサンダーキャットなども聴く、それなりのマニアです。
だからこそ、ジャズを漫画にするのは難しいと思ったのです。まず、絶対的なファン層が少ないのでパイが少ないです。漫画好きは基本ジャズなど聴きませんし、ジャズ好きは漫画を読まないものです。
そして、ジャズ漫画が成功するには、この相容れない両方のファンを納得させる必要があります。これは、今までのどの漫画よりも究極のハードル高さなのです。
しかし、ブルージャイアントはその高すぎるハードルを悠々と超えていきました。何度も言いますが、私は漫画好きです。が、今までどんな感動的な作品を読んでも、心が震える事はあっても、泣く事はありません。
どこか冷静なのですが、ブルージャイアントは作画からジャズが聴こえてきて、それが響いて仕方がないのです。初めて涙した、感動の大作漫画をぜひ皆さんに読んでもらいたいです。
お勧め漫画3 「宇宙兄弟」
宇宙兄弟に関しては説明不要でしょう。多分、今回紹介する漫画の中でも、若い人に一番人気や知名度があり、ファンも多いでしょう。
映画化にアニメ化、さらに私はいずれドラマ化もするのでは、と個人的に思っています。すると、日本のドラマでどうやって、あの感動シーンの数々を再現するのだと、突っ込みが入るでしょうが、何も国内ドラマとは言っていません。
多分、海外ドラマとしてオファーが来ると思います。全世界の全世代向けの感動スペクタクル大作なのです。
この漫画のもう一つの見所としては、当初はダメな兄貴で、優等生でエリートな弟という図式が、いつしか逆転します。よくあるのは、ダメになった弟はそこで作品のテーマから外れてしまうのですが、この漫画は挫折というか基本路線から外れてしまった弟に対しても、きちんと期待持たせる伏線を持たせる事です。
要は、失敗しても挫けずに諦めないでとメッセージを、言葉にしないで宇宙の広大な景色(絵)を通して訴えるのです。
宇宙兄弟を読むと、子供の頃って何であんなに宇宙が好きだったのか、その答えが見つかります。こちらも万人向けの名作であり感動間違いなしです。
お勧め漫画4 「ゴールデンカムイ」
これまで紹介してきた漫画で、唯一の弱点があるとしたら、それは物語のピークを過ぎ去っている感がある事です。
これからどれかの漫画を読もうとするなら、レビューなどを読んで、その点に気付いてしまうと、ちょっと残念ですし、半減してしまいますよね。
そこで、感動路線はやや減りますが、現在大人気であり今後の展開が最も期待される「ゴールデンカムイ」を紹介します。これは、明治時代の北海道を舞台にしています。これだけで、他の作品とは一線を画す事が想像できますね。
因みに”カムイ”とは神や自然という意味で、直訳するなら”黄金の神(自然)”という事になります。この様な表現を使うのは、日本だけでなくアメリカやカナダ、南米や北欧なども似たような言い回しを使いますよね。きっと、何かの関係があるのでしょう。
他の漫画よりも、ギャグ的なものやアイヌ料理やその伝統、そして仲間との金塊探しとちょっと脇道にもそれるのが多いですが、それでも北海道の大自然とスリリングな戦闘シーンや、ちょっと泣かせるものも含まれ、子供から大人向けの感動作品に仕上がっています。
あまり重くなく、しかし敵キャラもハッキリし、現在人気ある漫画となるのも納得です。確か、今春からアニメ化されるのでそれも期待しましょう。
お勧め漫画5 「あしたのジョー」
最後はこれまで紹介したルールを唯一破らせてもらいます。
既に連載終了して何十年も経過していますし、若い人にはピンと来ないでしょう。でも、この作品の最終回は読んだ事がない多くの人も知っていますし、何よりも現在も受け継がれる格闘漫画やボクシング漫画の流れを作ったのは、「あしたのジョー」なのです。
知っていますか? 主役でもない脇役キャラが、作品で亡くなってしまい、実際にファンを集めて大々的に葬式まで行われる人気があったのです。これを言うと、若い人は昔は漫画ぐらいしか娯楽がなかったと言うでしょうが、それは違います。「あしたのジョー」だけが別格だったのです。
現在、どんなに人気ある漫画や小説や映画でも、後世にこれ以上語り継がれる作品はないでしょう。それは、作品の質というよりも、後から聞く人たちが納得させる展開を持っていないのです。
両親もいなく、天涯孤独の少年がボクシングだけで生きていき、最後はリングで死んでしまいます。ここまでの完全な物語を目にすると、感動を通り越して思わず倒れてしまいます。
まとめ
感動漫画の5選はいかがだったでしょうか? 個人的な思い入れが強い作品ばかりで、さらに男性向けとなったのが欠点ですが、漫画ファンなら納得の選出だったと思います。
人によっては、感動ポイントも違いますが、これらの作品の名シーンは漫画の歴史そのものなので、ぜひ一読してみて下さい。