登山は不慣れな時はパーティーを組んで行く事がおススメであり、ベテランリーダーが居れば役割分担も明確になったり、登山で起こりえるリスクに対して事前対応も可能です。
単独登山は初心者にとって危険ですし、高峰ではリスクも大きくなりますから、出来るだけ単独は避けたいスタイルと言えます。
実際に単独登山でトラブルに遭遇した事があり、一つの例として安全登山に繋がれば幸いです。
単独登山で危険な目に遭った時の体験談
単独登山が危険と言われる理由
単独登山はリスクが大きいと解っていても、単独で山登りする方は後を絶たない傾向があります。
大自然相手で予測不能な事が起こりえますし、何かアクシデントが起こった時に1人では助けを呼べない状況に陥ったり、行方不明や命に関わる怪我を負う可能性があるのです。
日常から世界レベルの高峰に挑戦していて、トレーニングを積んだり山でのリスクを理解している方なら別ですが、そうでなければ単独登山は避けるべき行動であり、特に初心者は止めた方が良いでしょう。
統計でも単独登山は2人以上で登る場合よりも2.3倍程度の死亡や遭難事故にあるとされています。
パートナーが居れば助かるはずのトラブルでも、単独で居たから助からない例も多々あり、運よく救助を待つしか無いという事もありえるのです。
単独登山でトラブルに遭うと、迅速救助が出来なかったり、死亡や行方不明になる可能性が非常に高くなりますから、自然相手の登山は慎重かつ臆病な位に準備する事が望ましいでしょう。
実際に単独登山で命にかかわる程で無くても、危険な目にあった体験談があります。
単独登山を行ったキッカケ
富士山を登る計画があり、最初は友人含めて三人程度で行く予定でした。
夏の登山ですからリスクも少ない傾向にあるものの、初登山が富士山であり、標高2000メートルを超える山も初体験という状況だったのです。
ところが友人達が仕事等の関係からキャンセルとなってしまい、自身は登山を心待ちにしていましたし、すでに山小屋予約や登山道具レンタルもしていたので、単独登山を決行する事にしました。
学生時代に部活で鍛えた体力に自信がありましたし、大人になってからもジムワークを続けていたので一般的には体力がある部類なので、高齢者登山者も多い富士山を登れないわけないと考え、単独で行ったのです。
予備知識が無いまま単独登山は危険がいっぱい
2000メートルを超えると高山病リスクが発生しますから、富士山なら2000メートル辺りの五合目で1時間程度滞在し、そこから登り始めるのが基本です。
他にも登山ではエネルギー消耗がありますから、登り始める前に糖質摂取を行っておくとか、細かい事前準備が有効になるのですが、そうした知識も集めないまま漠然と登ってしまいました。
高山病は体力とは関係無いものであり、体質や体調で起こってしまうものですが、高地適応の時間も取らずにスタートしてしまい、2500メートルを超えた辺りで頭痛や吐き気を催しました。
高山病の事すら知らない状態だったので、気分が悪くてかがみ込んでしまい、山小屋で長時間待機してしまう事になります。
9合目辺りに予約してあった山小屋には予定では日が沈む前に到着予定でしたが、暗くなってから到着する事になり、明かりの用意もしていなかったので、体調不良もあいまってリスクも感じました。
登山中にも空腹を感じるようになり、お菓子等の準備もしておらず、吐き気を伴うものの空腹で出すものも無い気分が悪い状態が続き、さらに高所での気温変化を想定しておらず、アウターを持っていなかったので寒くて凍えそうでした。
登ったのは富士山開きの7月だったので、温度は大丈夫と思っていたのですが、この程度の知識も無いまま行ってしまい、初心者で情報収集が疎かな状態での登山は危険と実感します。
山小屋でゆっくりと寝て、早朝から山頂に進んでのご来光を見ようと思っていたのですが、身動きが取れない位に気分が悪く、9合目の山小屋からご来光を見るしかなくなったのは残念です。
下山で油断して怪我で身動きが難しくなる
事前にレンタルでザックやストック、衣類、靴は借りていたのですが、レンタル時に靴を試し履きしておらず、下山時に怪我をしてしまいます。
トレッキングシューズのサイズ自体はそこまでズレて無かったのですが、足先に隙間が無い状態でしたし、ミドルカットタイプだったので、下山時にトラブルが起こります。
トレッキングシューズはフィット感が大切であり、爪先部に余裕が無いと爪が割れる等のリスクがあり、それは主に下山時に起こるのです。
下山する際は楽と思っていましたが、登山では下山はコツを知らないと痛い目に合い、非常に体力を使いますし、須走ルートで砂利が多い道だったのですが、足首まで覆っていないミドルカットのシューズでは、シューズの中に砂利が入り込んで最悪な状態になりました。
爪も割れて血マメが出来たり、途中で動くのも辛くなってしまい、さらに用意していた水も無くなりますし、爪先の怪我で下山時間が相当かかってしまい、空腹や脱水状態から体調悪化が起こり、これも単独登山で予備知識不足から起こったリスクの数々でした。
落石やどこかに落下したとかいう危険は無かったですが、登山での準備知識が無い為に、背負う必要無い苦労を背負い、単独登山だからこそ周りにも頼れず、精神的にも辛い登山となりました。
危険な目に遭って感じたこと
単独登山は知識豊富で普段から山登りに適したトレーニングを積んでいる以外は避けた方が良いでしょう。
遭難や死亡事故リスク、そこまでの大きなリスクだけではなく、知識が無い為に高山病や爪先の怪我、色々な危険がはらんでいます。
まずはパーティーを組んで登山を行い、慣れて行うべき準備を知ってから単独登山を行いましょう。